改製原戸籍
1. 改正原戸籍とは
遺産相続が起こるとき,改正原戸籍が必要になることがあります。
家庭裁判所などに各種の申立をする場合にも、改正原戸籍の提出を要求されることがあります。
改正原戸籍と言われても、あまり耳になじみがなく、どのようなものかイメージしにくいことが普通でしょう。これはいったいどのような書類なのでしょうか?
改正原戸籍とは、戸籍制度の改正によって戸籍が書き換わった場合に役所に残された古い戸籍のことです。戸籍制度は今まで何度か変わっており、そのたびに戸籍の書き換えが行われています。その際にも、以前の戸籍は役所に残されるので、その残された古い戸籍が改正原戸籍となります。
改正原戸籍の代表的なものとして、戸籍の電子管理化によって戸籍が書き換えられる前の戸籍があります。
戸籍は、もともと各市町村役場において、手書きで作成されて保管されていましたが、平成6年、戸籍法の改正が行われ、電子管理制度が導入されました。
そこで多くの市町村役場で戸籍を電子化して、コンピューター管理するようになったのです。こうして電子化された戸籍の発行を受ける場合、発行される戸籍は、戸籍謄本の場合に「戸籍全部事項証明書」となり、戸籍抄本の場合には戸籍個人事項証明書となります。
この場合でも、電子化される前の戸籍が役所に残ります。
この電子化される前の古い戸籍が改正原戸籍です。改正原戸籍は手書きです。
戸籍の電子化に対応していない役所では、古い戸籍がそのまま現在に通用しているので、改正原戸籍は存在しません。
2. 改正原戸籍が必要な場合
相続の場面で改正原戸籍が必要になる場面は、どのような場面でしょうか?
書き換え後の新しい戸籍には今の情報しか記載されていないので、古い情報は分かりませんが、改正原戸籍はその元となった戸籍なので、現在の情報より古い家族関係についての情報が記載されています。そこで、古い情報を追いかけたい場合には改正原戸籍が必要になります。
たとえば、被相続人の相続人調査を行う場合、被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての記録を調べる必要があるので、被相続人に関する改正原戸籍の取得が必要です。
遺産分割調停や遺言書の検認、相続放棄や限定承認などの手続きを行う際にも、改正原戸籍が必要になることがあります。
3. 改正原戸籍の取得方法
改正原戸籍を取得したい場合、基本的には本籍地のある市町村役場に戸籍取得の申請をして、手続きをします。
その場合、市町村役場の戸籍係に行って必要書類を提出して手数料を支払えば手続出来ますが、遠方に居住している場合には、郵便でも取得することができます。
郵便で改正原戸籍を取得したい場合、郵便局に行って「定額戸為替」を購入し、返信用の封筒と切手を入れて本籍地のある市町村役場に郵送すると、数日後に必要な改正原戸籍が送られてきます。
相続が起こって遺産分割協議のために相続人調査を行う場合には、このような郵送による戸籍・除籍・改正原戸籍の取得手続きを繰り返すことにより、順番に戸籍謄本や改正原戸籍謄本、除籍謄本などを集めていくことが必要になります。
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