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エンディングノートの全知識!作成するメリットと法的効力について解説

いまや終活の代名詞ともなっている「エンディングノート」。

比較的簡単に作成でき、いつでも、だれでも手軽に始められる終活ツールとして人気がありますが、そもそもエンディングノートとは何を意味するのでしょうか。

書き方や内容などに決まりごとはあるのでしょうか。
またエンディングノートに書き記された事柄に法的効力はあるのでしょうか。

今回はエンディングノートの書き方や内容、その法的効果について解説します。

1.エンディングノートとは

エンディングノートとは、終末期や死後に関して本人の要望や希望を伝えるノートのことを言います。

具体的には①葬儀やお墓に関すること関することや、②財産や相続に関することなどの死後についての希望要望だけでなく、③介護に関すること、④延命治療に関することなど判断能力が低下したり意識不明の状態になった場合にどのような医療や介護を希望するのかなどを書き記したノートのことです。

近年の終活ブームで、エンディングノートの認知度も高くなり、国境なき医師団が全国の15歳から69歳までを対象に行った「終活と遺贈に関する意識調査2016」(「終活と遺贈に関する意識調査2016」 | お知らせ | 国境なき医師団日本<)によれば、9割以上の人がエンディングノートの準備は大事だと回答しています。

では、具体的にエンディングノートの作成の仕方についてみていきましょう。

2.エンディングノートの作成方法

(1)ノート選び

ノートの体裁や様式に決まりごとはなく、市販のノートを使って自由に作成することもできますが、エンディングノート専用のノートブックや、書き方とノートが一緒になった書籍なども多く販売されていますので、それを利用して作成した方が簡単です。

また近年では、エンディングノートを無料で配布している自治体も増えています。

最寄りの役場で無料配布しているようなら、それを活用してみてもよいでしょう。

(2)記載すべき内容

書き方や内容など自由に設定できるのがエンディングノートの魅力ですが、一般的には下記の事項を中心に記載されることが多いです。

  1. 介護に関すること、
  2. 延命治療に関すること、
  3. 葬儀やお墓のこと
  4. 資産に関すること、
  5. 相続に関すること
  6. 大切な人へのメッセージ
①介護に関すること

認知症の発症により判断能力が低下した場合に備えて、どのような介護を望むか、介護費用はどうやって捻出するか、判断能力低下後は誰に財産管理を頼むか、といった事項を整理しておく必要があります。

施設への入所を希望するのか、あるいは在宅介護を望むのか、エンディングノートに本人の意思が示されていれば、家族や周りの人たちが本人の意思に配慮して物事を進めやすくなります。

また、介護費用にあてる財産がない場合には、保険の加入を検討するなどリスクヘッジともなります。

②延命治療に関すること

厚生労働省がまとめた「終末期医療に関するガイドライン」によれば、人工呼吸器の装着や胃ろうの造成など生命を維持するためだけになされる延命治療について、本人が生前に拒否する意思を表明していたと認められる場合には、本人の意思が尊重されることになります。

他方、本人の意思表明が不明確、あるいはない場合には、近親者の意向が尊重されることになるため、本人の生死という重い決断を大切な家族に強いることになります。

そのため、エンディングノートには、終末期医療において延命治療を希望するのか、あるいはこれを拒否するのか明確に意思を表示しておく必要があります。

③葬儀やお墓のこと

葬儀はどうするのか、規模や費用はどうするか、葬儀社はどこにするか、葬儀に参列してほしい人の連絡先や、宗派や菩提寺がる場合はその連絡先など、詳細に記載しておけば、残された家族や身近な方を悩ませることなく、本人の希望に沿った葬儀などがとりおこなわれることになります。

④資産に関すること

資産に関することは詳細かつ正確に記載しておく必要があります。

  • 預貯金について

通帳を用意して、金融機関名、支店、種別、口座番号をすべて記入します。

預金口座の情報が不足していれば、相続発生時に口座照会などの手続きが必要となり、時間や費用が余分にかかってしまうことになります。

漏れなく記入し、使っていない口座は解約するなどして、相続発生時の手続きをできるだけ簡略化させれるようにしておきましょう。

なおネットバンクを利用している場合は、IDやパスワードも忘れずに書き残しておきます。

  • 不動産について

登記簿謄本や固定資産税の納税通知書を手元に用意し、所在や地番、地目など正確に書き移します。

自宅不動産だけでなく、山林などがある場合は、その山林の所在や地番なども忘れずに記入するようにしましょう。

  • 有価証券について

有価証券を所有している場合は、証券会社や取引店名、口座番号や担当者の氏名を記載しておきます。

  • 保険について

死亡保険だけでなく、医療保険や定額年金保険、火災保険や地震保険など加入している保険は全て記入するようにします。

  • 自動引き落とし口座

水道光熱費や携帯代などを自動引き落としにしている場合は、どの口座に何がいつ引き落とされるかを記載しておけば、解約や名義変更がスムーズに進みます。

⑤相続に関すること

エンディングノートには遺言のように法的効力は認められないため、誰に何を相続させるかを書き残していても、相続人を法的に拘束する力はありません。

ただ、本人の希望を示しておくことで、遺産分割において本人の意思が尊重される可能性があります。

⑥大切な人へのメッセージ

家族や身近な方への感謝やメッセージを書いておくとよいでしょう。

この他、自分の氏名や住所、本籍地や勤務先、血液型や家族、友人関係など自分に関する情報も書いておきましょう。

3.エンディングノートを作成するメリット

エンディングノートを作成するメリットとしては下記のものがあります。

(1)相続手続きを円滑に進めることができる

財産の所在や内容を書き残すことで、相続手続きをスムーズに進めることができ、遺された家族の負担を軽減することができます。

(2)家族に厳しい選択を強いることなく、本人の意思が尊重される

既述した通り延命治療の開始・継続・中止については一次的には本人の意思が、本人の意思が不明確あるいはない場合は家族の意思が尊重されることになります。

そこでエンディングノートに延命治療に関する意思を表示しておけば、望まぬ延命治療を回避できるだけでなく、延命治療の開始・継続・終了といった苦痛を伴う厳しい選択を家族に強いることがなくなります。

(3)元気なうちからもしもの場合に備えて準備ができるので、有効なリスクヘッジとなる。

 もしも認知症になったら、もしも介護が必要になったら、といった事柄を元気なうちから考えることで、もしもの場合に必要となる費用や対策などを予め準備することができます。

4.エンディングノートに法的効果は認められるか

結論から言うと、エンディングノートには法的効力は認められていません。

そのためエンディングノートに書かれた内容を確実に実現させたいのであれば、遺言書の作成や任意後見契約の締結、尊厳死宣言公正証書などの作成などが必要となります。

ただし、エンディングノートであっても、自筆証書遺言の要件を満たす場合には、法的効果が認められる可能性があります。

5.エンディングノートの作成を専門家に依頼することは可能か

エンディングノートの作成を専門家に依頼することは可能です。

実際、エンディングノートの作成支援を行っている法律事務所の広告をよく目にします。

ただし、エンディングノートには法的な効力はありませんので、エンディングノートの作成そのものを専門家に依頼する実益は低いといえます。

エンディングノートの作成そのものを専門家に依頼するのではなく、専門家が行っているエンディングノートの書き方講座など利用して、ご自身でエンディングノートを作成してから、相続や介護など法的効力を持たせたい事柄について、専門家に公正証書(遺言や任意後見契約など)の作成を依頼した方がよいでしょう。

まとめ

エンディングノートは人生の終末期をいかに行き、どのように死を迎えるかについての本人の希望や意思を、家族や第三者に伝えるための重要なツールの一つです。

ただし、法的な効力がないため、遺産相続や判断能力低下後の生活について、ご自身の希望を確実に実現させるには、別途遺言書などの作成が必要となります。

エンディングノートの他にどんな書類の作成が必要かなど一度、専門家に相談してみるとよいでしょう。